ご挨拶


3月5日に3周年を迎えました。ありがとうございました。


そもそも店を始めた経緯は、学生の時分に熱心に研究していた実存主義とカウンターカルチャーにあります。前職のコムデギャルソンで感じた、モードの途方もないスピードに嫌気がさし、趣味だったテーラリングの健康的な時間の流れに憧れもありました。
”実存は本質に先立つ”というサルトルの言葉通り、実存主義とは、実存がまずあり、本質とは実存によって決まる、と定義されています。人間一般ではなく、実際に生活している個々の人間の在り方、一人ひとりの個性を尊重するという考えです。わたしたち=実存、もの=本質ということは、置き換えると ”何を着るか以前に、あなたはどういう人間か” ということであり、人間の平均化→人間性の喪失という実存主義以前の前時代的な考えと、現代のわたしたちが重なってきているな、と思い至ったのです。
そして他者と違うものが欲しいという気概とオリジナリティ、そこから芽生えるDIY精神の源流はカウンターカルチャーにあるのではないでしょうか。大きなシステム、旧態依然に挑む姿勢は前職から学びました。
Godard (Haberdashery)は、このような思想や1960-70年代のカウンター精神、世界同時多発的に起こった学生運動・反戦運動の熱気といった時代性から名付けられたのです。

映画ミッドナイト・イン・パリの中で、現代の人ギルは1920年代がゴールデンエイジだと主張し、1920年代を生きるアドリアナは1890年代に憧れている。つまり、いつの時代も過去への感傷は存在し、閉塞した現在の状況から逃れようとするものだが、結局、のちにゴールデンエイジと呼ばれるものでさえその時点では、その閉塞した時代環境を憂い、現在の状況を打破しようとした結果でしかないというもの。ファッションにも懐古主義が付きまとい、実際に今わたしたちがぶち当たっている壁ではないでしょうか。わたしにとってのゴールデンエイジは1970年代ですが、あなたはどうですか。読み物や音楽、古着など、身の回りにあるものは自然と○○年代だな、と気づきますね。何を読んできて、何を聴き、どう考えてきたか。せいぜいこの作家、このアーティストのこの時期のものが好きだ、というテイストの絶対軸さえあれば、例えばオーダーのときなんかもスムーズにいきますし、一般社会においては誰とでも会話ができる気がします。そしてどんな店に行っても、少しは骨のあるやつが来たな、と一目置かれるはずです。

変わり映えのない店ですが、これからもよろしくお願い致します。



2-2-3 Shibuya, Shibuya, Tokyo 
info@godard-ltd.com


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